詩のページ


(情景描写の詩⑧)「青い地球で生まれたはずの僕」  
Poetry of Scene Description ⑧

風に揺れたコスモスが、何か言おうとして
宇宙につながる空の下で、星座からこぼれ落ちる神話の中に
封じ込められた色彩を、いつか掘り起こそうと、常にもがいている

本当は、「未来」なんて想像上のもので、実体はない
本当は、「過去」なんて記録上のもので、手掛かりのあるもの以外は消えてしまった
けれども、「過去」も「未来」も人間が生きていく上で大切に考える事柄なのだろう
「歴史は繰り返す」と言ったのは誰だっけ?
『ミッケ!』の絵本の作者は誰だったっけ?

1961年4月12日、始めて有人宇宙旅行に成功したガガーリンは
「地球は青かった」と言った
「ザ・ビートルズ」が1962年にデビューし、1970年に事実上解散した
そしてジョン・レノンは1980年12月8日にニューヨークのセントラル・パーク
ダコタ・ハウスの前で射殺された

なぜ、自分が制作活動を始めたかと言えば
自分が求めている作品を、誰も作ってくれなかったからだと思っている
もしも、求めている作品を制作している人がいたならば
僕は受け取る側できっと満足していただろう
僕の作品の、一番のコレクターは、僕自身だ

「コスモス」はギリシャ語の「宇宙」の「秩序」を意味し、
ラテン語で星座の世界を意味する

青い地球で生まれたはずの僕は
この時代で良かったと、つくづく思う
太古の昔も、遥かなる未来も、決して幸せそうな気がしないのはなぜだろう
太鼓の達人も、春薫る季節も、のどかな中に波乱が潜んでいる気がする
僕の作品の一番のコレクターは僕自身だけど、
それは、娘をお嫁にやりたくない父親の気持ちとは少し違う
全巻そろっているはずのマンガの単行本の、間の何冊かを売りに出すような感じで、
要するに、きれいに並んでいるのが好きで崩したくないのだ
君も、同じ種類の物が並んでいると美しいと思わないかい?

ただ最後の結末は、僕にも君にも、誰にもわからないけど……

・現在、詩ができているのは
 「新しい詩(Ⅰ~Ⅻ)」
 「情景描写の詩(①~⑫)」
 「自由な表現の詩(①~⑳)」
 「絵と連動した詩(No.1~99)」
  ※まだ未完成のものあり

「新しい詩 Ⅳ(自由な言葉)」

「新しい詩 Ⅳ(自由な言葉)」  
New Poems Ⅳ

次の新しい詩を書いていこう
そして、どこまで行けるのだろう
さらに、いびつな物へと変化していくとしても
今まで、1mmでも前に進むことだけを考え
ここまで足跡を残してきた
僕と君と、ここでの違いがあるとすれば
今、創作を発信する側と受け取る側の違いだろう
けれど、そんなことは今すぐにでも逆の立場になれる
何が言いたいかというと
こんなふうに言葉をつなげる作業は
誰にでも、今すぐにでも、できるということ
もしかしたら、実は君はすでに創作者で
参考のために、読んでいるだけかもしれないし
これから、紙とペンを用意する人かもしれなし
ただ、楽しむ側にいるだけでいいという人かもしれない
いずれにしても
「詩」というのは
自由に言葉をつなぐことができると信じている
誰かのアドバイスは、今はいらない
「自由」と「個性」と「自分」が否定されるから
楽観的な言葉の中に、苦しい日常があり
現実逃避の夢の中に、いらだちの思いがある
残酷で優しいナイフが
心臓をえぐり出す時のように
魔法を使えない僕たちは
苦しみを封印して、笑顔を作っている
100年先の未来の地球に
自分が立っていなかったとしても
きっと、きれいな花は咲いているのだろう
そして、誰かが笑っているのだろう
同時に、誰かが泣いているだろう
自由につなぎ合わせた言葉が
いつか君の胸を埋めていくことを願って

 

(情景描写の詩②)「行ったり来たりする真実の裏側」

 (情景描写の詩②)「行ったり来たりする真実の裏側」
 Poetry of Scene Description ②
  
  定規でつないだ、人との間の直線は
 眼には見えない空気の中を、ただ思いだけが交差して
 いつまでたっても眠らない、日差しの当たった落ち葉にも
 たった一度の誘惑の中でしか 否定をするチャンスは与えられない

  自分の家の近くを散歩していても 誰も僕のことを知らない
  青い屋根の家や、ベランダの洗濯物 白いネコは尾も白いし、黒いネコは尾も黒い
 もしも、自分が何かの虫に生まれてきたならば どんな景色が見えていたのだろう
  むしろ、自分が生きていることさえ実感できないまま一生を過ごすのだろうか
 知恵というのは、便利なようで不自由なものだ

 額の中の絵には、描かれたものだけではなく
 作者の人間性やその時の感性も描写される エゴン・シーレの色彩に
 「彩りのある枯れ葉」のイメージを受けるのは、僕だけかもしれないが
 輪郭線の両側を、本物に近い明暗にするだけで 写実描写になっていくことは、
 デッサンをする人なら知っている

  1989年11月9日の夜に、ベルリンの壁が崩壊したのは 市民の手によるもので
 ナスカの地上絵を描いたのも おそらく古代の市民の手によるものではないと言われている

  そして僕が今、大切にしているのは 7時間以上の睡眠時間の確保である
 キリンは立ったまま仮眠を取り 体を丸めて熟睡するのは一日20分程度と言われている

 行ったり来たりする真実の裏側では
 誰しも名探偵となって、自分の予想を解説することとなる
  あの名探偵が言ったように「真実はいつも一つ」かもしれないが
 その時のそれぞれの感じ方によって、それぞれの真実があっても良いと思う時もある

 

(情景描写の詩④)「いつ子どもの心を失ったのだろう」

 (情景描写の詩④)「いつ子どもの心を失ったのだろう」  
Poetry of Scene Description ④

チョコレートで作られた欲望は、青空と水面への反射を繰り返し
転がる石が、余計な大音量で周りにぶつかっていく
そよ風に乗った故郷への想いは、川辺を上流に向かって歩き出すように
ただ、木々の間を透明な姿ですり抜けていく

僕はいつから、子どもの心を失ったのだろう
美術大学を目指して勉強している時に
いとこのお兄さんから「絵では食べていけないからね」と言われた
子どもの心を失いかけた新年会の席だった
おかげで今の僕がいる

2001年9月11日にハイジャックされたユナイテッド航空175便が
ニューヨークのワールドトレードセンターに突入した映像を今でも思い出す
ヒトラーの最後は、ピストル自殺だったっけ?
AIが「ヒトラーは正しかった」と答えたニュースはすぐに削除された
本当に、何が正しいかなんていい加減だ

昔は、部活動の練習中は水を飲むなと言われた
昔は、鎌倉幕府は1192年に作られたが、今では1185(イイハコ)年になっている
鎌倉の大仏は、昔は大仏殿の建物の中にあった

色彩のないデッサンも、色彩で表現する水彩画も
実は大切なのは「明暗」で、昔あった白黒テレビでも、大抵のものは表現できた
「明暗が分かれる」のは、ほんの少しの努力の差で
同じ方向に走っている人が、「合格」と「不合格」に分けられることがある
僕も、大学受験で1年浪人した
その浪人している時の新年会で、かなり大人になれた
絵を制作する作業も、ほとんど建物の中で行った

そよ風に乗った故郷への想いを頼りに
大人になってから一度、生まれ育った場所へ行ったことがある
自転車に乗る練習をした思い出の坂道は、それほど急ではなかったし
クワガタを捕まえに行った山の方角さえ、分からなくなっていた
一緒に遊んだ近所の子どもも、やがておじいちゃんおばあちゃんになっていくのだろう
絵では食べていけないのを知っている僕は、美大を出た後、まずは仕事についた
いつか、夢を叶えるために


(情景描写の詩⑤)「現実逃避傾向の僕だけど

(情景描写の詩⑤)「現実逃避傾向の僕だけど」 
Poetry of Scene Description ⑤

憂鬱な思い出を語るウサギと、朝の始まりを告げるニワトリは
飼育係の子どもが、グラウンドで追いかけっこをする様子を
ただ檻の中で見ているだけではなく チャンスがあれば、ここから抜け出そうと画策している

1969年7月20日、アポロ11号が月面に着陸し 人類は初めて月面を歩いた
アポロ17号の打ち上げ以来、有人月面着陸は行われていない
1970年の大阪万博で「月の石」が展示された
また、そこでは岡本太郎の「太陽の塔」が建造された

立体作品は、絵画作品よりも物質としての存在感が強い けれども、
美大の友だちの個展に展示されていた立体作品が
その後、アパートのドアの外にごみのように置かれていたのは悲しかった
大きな立体作品を造る時は、展示場所を確保してから制作すべきだと感じた

月の上で「お餅をつくウサギ」は、アリスの白ウサギと友だちかもしれない
なぜ時計を見ながら、いつも急いでいるのだろう
現実にはあり得ないような世界へ行ってみたいと思うのは 現実逃避傾向の僕と同じなのだが
やらなければいけないことを後回しにするのは、無責任だと思う
人から頼まれた仕事をしないで、自分のおしゃべりに夢中なやつを見ると 本当にムカつく
現実逃避傾向の僕が言うのも何だが、
「やるべきことは先」で、「やりたいことは後」でしょう

アリスの話に出てくるウサギは、時間内に追われてしまう責任感があるのかもしれない
高校生の時に、「あなたは『星の王子さま』みたい」と言われたことがある
理由は、「空気みたいな存在」だそうで、褒められてはいない気がする
その本を読んだことはないが、
『本当に大切なことは、目に見えないからね』の名言は知っている
自分では「王子さま」ではなく、「人間の姿をしたずるいキツネ」だ
もしかしたら、おばあちゃんに変装して、あなたを食べてしまうかもしれない
あれ、それは赤ずきんに出てくる「オオカミ」だったっけ
まあ、「美術作品」や「本」などのコレクションは、室内に収納できる範囲でいい

 

(情景描写の詩⑨)「バッタの耳は後ろ足の付け根」

(情景描写の詩⑨)「バッタの耳は後ろ足の付け根」  
Poetry of Scene Description ⑨

カゴの中に入っている思い出たちが、寝ている間に僕の心をノックし
逆さまになった空と海を、重力が切り裂きながら駆け抜けていく
どうしてだろう、どうかしていた手が、僕の願いとは逆の動きをしながら
彗星のように、光を残しながら朝焼けに吸い込まれていった

最近、実は植物の中にある力を再認識している
ものを言わず、脳を持たない植物に、色々な力があることを
最近、実は自然の力のすごさを再認識している
風、雨、雷、気温、地震……
そんな自然の中で生活している人間の力なんてちっぽけなものだ

キリストが生まれた年を西暦の始まりとしたのなら、
なぜ、なぜキリストの誕生を祝う日が1月1日ではなく、12月25日になったのか?
物事なんて、本当に適当な上に成り立っている
西暦が作られたのは、532年頃とされる
1903年ライト兄弟が12馬力のエンジンを搭載した
ライトフライヤー号によって有人動力飛行に成功した

サンゴ礁のサンゴは、植物ではなく動物だと聞いたことがある
地球からは、月の裏側をみることはできないと聞いたことがある
フッ素は、虫歯の予防にはいいが、多く摂取すると体には悪いものだと聞いたことがある
バッタの耳は、後ろ足の付け根にあると聞いたことがある

クリエイターは、いつも創り出すヒントを探して物事を見ている
多くの楽しむ側の人とは、同じ物事を見たとしても、その見方がまったく違う
だから、クリエイターを続ける人は、手放しで楽しむ側にはなれないという
悲しさがあると僕は思うんだ

「先に生まれる」と書いて、「先生」だ
先生の攻撃は、「先制攻撃」だ
覚えているのは、授業の内容よりも、脱線した時の話の方が多い
コロンブスの「アメリカ大陸発見」が、今の教科書には載っていないと聞いたことがある
コロンブスは自分が到達したのは「インド」だと思っていたので
原住民が「インディアン」と呼ばれるようになったと聞いたことがある
「生卵」と「ゆで卵」の見分け方は
回してみて、勢いよく回れば「ゆで卵」だそうだ


(自由な表現の詩①)「新しいストーリー」

(自由な表現の詩①)「新しいストーリー」 
Poetry of Free Expression①

眠りから覚めた白雪姫と、お菓子の家に導く青い鳥は
その後の展開の中で交わることのない夢を描いたとしても
やがて春の訪れとともに、心の氷が溶けて
流れ出す新しいストーリーが
元のコーヒーカップの中に戻ってくることはない

スキップをしたくなるほど嬉しいことがあって幸せだと
思わぬ落とし穴を掘ろうと企む人がいる
そうかと思えば、困っている人がいれば、手を差し伸べて助けたりもする

「0(ゼロ)」という「何もない」を表す数字の概念はインドで発見されたと言われている
今では当たり前に小学生でも使っている
この「0(ゼロ)」という数字のおかげで、数学が飛躍的に進歩し、
現代のコンピュータにも繋がるとされている

どちらかと言えば、人を応援したい方の人間だが
ただ「頑張れ!」という言葉だけでは、心は動かない
「頑張れ」という言葉だけなら、誰でも言える
だから、まずは自分が努力している姿勢を示したいとも思う
僕が制作しているのは、実はそういう理由なのかもしれない
少しでも何かを表現することができたのなら
今日を生きた意味がそこにある気がする
でも、誰にも認められない制作者なら、すべてが無駄に終わることもあるだろう
まあ、それでもいいけど
どうせならみんなには楽しい思いをしてもらいたいと願っている

客観的に周りを見渡してみると、木に実がなるのが気になる
そんな季節で、帰省するのを規制して
重大な渋滞を回避したい

人間の心理の流れをきちんと把握することは大切だ
同じようなことをやったとしても、大きな差となることがある
心理学は、必修教科にしても良いと思うぐらいだ

ほとんど毎朝コーヒーを欠かさず飲んでいる
今日の新しいストーリーも、どうせなら楽しい方がいいに決まっている


「絵と連動した詩」⇩
★下のそれぞれのタイトルをクリックすると、「詩」のページが表示されます。
※まだ、旧の順番と番号のままになっています。

No.1 「昼と夜の繰り返しの中で」

No.2(⇒新No.3へ) 「アリスの時計」

No.3(⇒新No.7へ) 「形の無いものを」

No.4 「14歳の頃の夢」

No.5(⇒新No.9へ) 「迷路」

No.6 「地球の未来に」

No.7(⇒新No.8へ) 「想像と創造」

No.8 「翼」

No.9(⇒新No.82へ) 「サナギから蝶に…」

No.10(⇒新No.85へ) 「絵画の流れ」

No.11(⇒新No.2へ) 「無限階段」

No.12 「1/2の永遠」

No.13(⇒新No.97へ) 「自画像」

No.14 (⇒新no.75へ)「星座」

No.30(⇒新No.31へ) 「窓から靴をはいて」

No.31(⇒新No.55へ) 「君に伝えたいコト」

 

No.99 「99匹の羊と、迷子になった1匹の羊の話 」